G20

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G20の参加国(紫色)と地域(水色)

G20(ジートウェンティ)は、"Group of Twenty"の略で、主要国首脳会議(G8)に参加する8か国、欧州連合、新興経済国11か国の計20か国・地域からなるグループである。20か国・地域首脳会合(G20首脳会合)および20か国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議(G20財務相・中央銀行総裁会議)を開催している。主要20か国・地域[1][2]ともいう。

目次

[編集] 概要

第11回G20財務大臣・中央銀行総裁会議

カナダフランスドイツイタリア日本イギリスアメリカ合衆国欧州連合は、G7として定期的に財務大臣・中央銀行総裁会議を開催していたが、この先進7ヶ国・1地域に主要国首脳会議(G8)参加国のロシアと新興経済国11ヶ国が加わり、1999年より20ヶ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議(G20 Finance Ministers and Central Bank Governors)を開催している。この会議には、国際通貨基金世界銀行国際エネルギー機関欧州中央銀行など、関係する国際機関も参加している。世界金融危機の深刻化を受けて、2008年からは20ヶ国・地域首脳会合(G20 Summit)も開催されている。正式名称は「金融・世界経済に関する首脳会合」(Summit on Financial Markets and the World Economy)であるが、金融サミットとも呼ばれる。議長は各国持ち回りで担当し、任期中は議長国が事務局機能を果たすため、恒久的な事務局や常勤職員などは存在しない[3]

G20の20か国・地域(EU加盟国を含む)の国内総生産(GDP)を合計すると、世界のGDPの90%ほどを占め、貿易総額は世界の80%である。また加盟国の総人口は世界の3分の2ほどになる[4]。欧州連合は団体としてG20に参加しており、欧州連合加盟国は、フランス、ドイツ、イタリア、イギリスを除き個々の国としてG20には参加していない。ただ、オランダスペインのように、G20に参加していない国が必要に応じて、会合に臨時出席する場合もある[5]

2009年米国で開催されたG20は「G20を国際経済協力の第一の協議体」とすることで合意した。2010年6月に開催された4回目となるG20サミットは、カナダのトロントG8サミットに連続して開催され、その最大目的は、欧米諸国の財政・金融政策の健全化をどう達成するかであり、途上国の開発援助・地球温暖化の問題などが焦点となった。また、中国やインド、ブラジルなどが国際経済で果たす役割が増す中で開かれた。

[編集] 参加国・地域

国家・地域 大陸 貿易規模
百万ドル
(2011)
貿易規模
順位
GDP(名目)
百万ドル
(2011)
GDP(名目)
順位
GDP(PPP)
百万ドル
(2011)
GDP(PPP)
順位
人間開発指数
(2011)
人間開発指数
順位
欧州連合の旗 欧州連合 ヨーロッパ 3,791,000 17,960,000 15,788,000 0.853
ドイツの旗 ドイツ ヨーロッパ 2,882,000 3 3,628,623 4 3,089,471 5 0.905 9
フランスの旗 フランス ヨーロッパ 1,263,000 5 2,808,265 5 2,216,769 9 0.884 20
イギリスの旗 イギリス ヨーロッパ 1,150,300 6 2,480,978 7 2,253,585 8 0.863 28
イタリアの旗 イタリア ヨーロッパ 1,050,100 9 2,245,706 8 1,828,601 10 0.874 24
ロシアの旗 ロシア ユーラシア 808,700 12 1,884,903 9 2,376,470 6 0.755 66
トルコの旗 トルコ ユーラシア 345,200 29 763,096 18 1,114,629 16 0.699 92
中華人民共和国の旗 中国 東アジア 3,561,000 2 6,988,470 2 11,316,224 2 0.687 101
日本の旗 日本 東アジア 1,595,500 4 5,855,383 3 4,395,600 4 0.901 12
韓国の旗 韓国 東アジア 1,084,000 8 1,163,847 15 1,556,102 12 0.897 15
インドの旗 インド 南アジア 749,200 13 1,843,382 10 4,469,763 3 0.547 134
サウジアラビアの旗 サウジアラビア 西アジア 457,200 22 560,294 21 677,663 23 0.770 56
インドネシアの旗 インドネシア 東南アジア 381,000 26 834,335 17 1,122,638 15 0.617 124
オーストラリアの旗 オーストラリア オセアニア 502,300 19 1,507,402 13 918,978 17 0.929 2
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 北アメリカ 3,825,000 1 15,064,816 1 15,064,816 1 0.910 4
カナダの旗 カナダ 北アメリカ 910,200 10 1,758,680 11 1,391,114 14 0.908 6
メキシコの旗 メキシコ 北アメリカ 678,200 15 1,185,215 14 1,659,016 11 0.770 57
ブラジルの旗 ブラジル 南アメリカ 470,400 20 2,517,927 6 2,309,138 7 0.718 84
アルゼンチンの旗 アルゼンチン 南アメリカ 155,440 42 435,179 26 710,690 22 0.797 45
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国 アフリカ 187,070 37 422,037 29 555,340 25 0.619 123

[編集] 会合・会議の一覧

[編集] 首脳会合

日程 開催地
1 2008年11月14日 - 15日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ ワシントンD.C.[1]
2 2009年4月2日 イギリスの旗 イギリス ロンドン[2]
3 2009年9月24日 - 25日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ ピッツバーグ[3]
4 2010年6月26日 - 27日 カナダの旗 カナダ トロント[4]
5 2010年11月11日 - 12日 韓国の旗 韓国 ソウル[5]
6 2011年11月3日 - 4日 フランスの旗 フランス カンヌ
7 2012年 メキシコの旗 メキシコ ロス・カボス
8 2013年 ロシアの旗 ロシア 未定
9 2014年 オーストラリアの旗 オーストラリア 未定
10 2015年 トルコの旗 トルコ 未定

[編集] 財務大臣・中央銀行総裁会議

日程 開催地
1 1999年12月15日 - 16日 ドイツの旗 ドイツ ベルリン[6]
2 2000年10月24日 - 25日 カナダの旗 カナダ モントリオール[7]
3 2001年11月16日 - 17日 カナダの旗 カナダ オタワ[8]
4 2002年11月23日 インドの旗 インド ニューデリー[9]
5 2003年10月27日 メキシコの旗 メキシコ モレリア[10]
6 2004年11月21日 ドイツの旗 ドイツ ベルリン[11]
7 2005年10月15日 - 16日 中華人民共和国の旗 中国 河北省・香河[12]
8 2006年11月18日 - 19日 オーストラリアの旗 オーストラリア メルボルン[13]
9 2007年11月17日 - 18日 南アフリカ共和国の旗 南アフリカ クレインモンド[14]
10 2008年10月11日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ ワシントンD.C.[15]
11 2008年11月8日 - 9日 ブラジルの旗 ブラジル サンパウロ[16]
12 2009年4月2日 イギリスの旗 イギリス ロンドン[17]
13 2009年9月24日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ ピッツバーグ[18]
14 2010年10月23日 大韓民国の旗 韓国 慶州[19]
15 2011年2月18日 - 19日 フランスの旗 フランス パリ[20]
16 2011年4月14日 - 15日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ ワシントンD.C.[21]
17 2011年9月22日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ ワシントンD.C.[22]
18 2011年10月14日 - 15日 フランスの旗 フランス パリ[23]
19 2012年2月25日 - 26日 メキシコの旗 メキシコ メキシコシティ[24]
20 2012年4月19日 - 20日 アメリカ合衆国の旗 アメリカ ワシントンD.C.[25]

第10回は金融市場危機および市場への影響を議論するために臨時でワシントンD.C.にあるIMF本部にて開催された。

[編集] 脚注

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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